経済とマネーリテラシーについて深く考える(7)

2019-05-28

【皆んなが豊かになることはない】

あなたは「金持ち」のお金は、
いったいどこから来たかご存知ですか?

そもそも、彼らはなぜ金持ちになったのでしょうか?

それは、簡単に言えば「競争」に勝ったからです。
競争に勝った人のところにお金が集まり、
競争に負けた人のところからは、
お金は出ていくのが現在の経済の仕組みです。

現状の経済は競争であって、
競馬、競輪、パチンコ、麻雀、カジノ
のような誰もが知るギャンブルの他に、

株、FX、暗号資産(仮想通貨)も全ては
経済競争の仕組みで成り立っているのです。

皆んなが勝つことはありませんし、
皆んなが儲かることはありません。

少数の人が勝ち、大多数の人が負けるのです。

そして、この競争のルールは、
強いものに有利にできているのです。

現状の経済では全員が豊かになることは絶対にありません。

仮に日本銀行が国民全員に1億円づつ配ったとします。

すると、物価がどんどん上がりますから、結局のところ、
1億円しか持っていない人が困り、それ以上の沢山の
お金を持っている人は困らないのです。

つまり、現状の経済のシステムというのは「格差」がある
ことによって意味を持つようにできているのです。

そして、豊かな者はより豊かに、
貧しい者はより貧しくなります。

こちらを簡単にまとめましたのでご確認下さい↓

・大企業は有利な資金が集まる
・優秀な人材が集まる
・大量仕入すれば安くなる
・有利な条件で融資を受けられる
・電力代など大口料金は割安
・市町村が企業誘致をする際、有利な条件を提示
・経営が危なくなると国、金融機関などがバックアップ
・国や国立大学などと共同研究、共同開発
・国が法律、規格、基準を作るとき意見を聞く
・官僚や政治家が天下りして便宜を図る

これを見れば、大企業が中小企業よりも、
どれだけ有利かが分かると思います。

これは金持ちと一般庶民も同じです。

これだけアンフェアなのに
「経済は自由競争」などと言われています。

しかし実際は「経済は不公平な戦い」なのです。

「世界全体は豊かになった」と思っている人が
いるかもしれませんが、そんなことはありません。

こちらは最富裕層と最貧層の貧富の差を表した表です。

ご覧の通り、1960年からの30年間で、
世界の富裕層の20%が所有している資産は70~83%に増加し、
世界の貧乏20%が所有する資産は2.3%から1.4%に減少しました。

その格差は30倍から60倍に拡大しました。
「先進国の経済が全体を豊かにしている」というのは
事実でありません。

経済というのは競争であり、資源は有限です。
競争は強いものが勝ち続けるのです。

そしてその結果、一方が限りある資源を大量に独占したり、
消費したりすると、他方は必ず貧しくなるのです。

経済拡大は格差の拡大なのです。
現在の経済は「ゼロサム」です。

ゼロサムとは、合計すると「ゼロ」になることを指し、
一方の利益が他方の損失になることであり、
全体としてはプラマイゼロになるということです。

分かりやすく言うと、
2人の間でお金のやりとりをすれば、
一方が得をすれば他方が損をしますよね?

二国間で取引をすれば、一方が黒字になれば
他方が赤字になります。
多国間取引でも結局は同じです。

では国際経済全体について考えてみましょう。

こちらの表をご覧ください。

グラフの(a)の部分は、
1950年から1990年までの40年間、右肩右上がりです。

これは世界経済を表すグラフですが、
1990年以降は頭打ちになってます。

なぜこうしたことが起こるのでしょう?
グラフの(b)の部分は同じ40年間に右下がりです。

これは途上国の累積債務(借金)の総額で、
(a)と(b)は上下対称です。

つまり、
「途上国の借金の総額」=「先進国の貯蓄の総額」になるのです。

だから経済はゼロサムと呼ばれるのです。
借金と貸金はゼロサムです。

一方が豊かになれば他方が貧しくなります。
つまり、みんなが豊かになることは絶対にできないのです。

なので途上国はどんどん貧しくなり、
借金が膨れ上がり、いずれ返せなくなります。

もしかしたら、あなたは途上国が借金を返せないのは、
道理に外れていると思うかもしれません。

が、どうしても返せないから仕方がないのです。

なぜ途上国は、先進国から借りたお金が返せないのでしょうか?
先進国と途上国の取引のメカニズムを説明しましょう。

先進国は途上国から資源を買い、途上国に完成品を売ります。
資源のコストは途上国の物価で決まり、
完成品のコストは先進国の物価で決まります。

そして物価は優に100倍くらい違います。
例えば、途上国は鉄1トンを1000円で売り、
鉄を掘るための重機(10トン)を1000万円で買います。

すると、鉄1トンのコストが1000倍になるのです。
これによって先進国は儲かり、
途上国は借金することになります。

買った重機が故障せずに、ずっと動き続けば、
いつか元が取れますが途中で壊れたらどうなるでしょうか?

借金を返す為にまた重機を買わざるを得ません。

すると、先進国はさらに儲かり、
途上国はさらに借金が増えます。
こうして先進国は儲かり、途上国は借金が増えるのです。

その結果、経済格差も物価の差も拡大していき、
先進国は益々と有利となり、途上国は益々と不利になるのです。

さらに先進国は、途上国に経済指導、経済支援をします。
先進国から資金調達をした途上国は、経済発展のために
道路港湾、コンビナートを建設しようとします。

その担保や利子は多くの場合、
途上国の熱帯林、鉱物資源、工業用地、水利権、貿易権、
本国企業の進出といった独占的営業権などです。

ということは、途上国が経済発展に努力すればするほど
不利になる、ということです。

途上国は、マネーゲーム(経済競争)の
スタート地点に着くために借金するのですが、
実はゲームはもう始まっていて、どんどん
差が広がっているのです。

そしてスタート地点に辿り着いた時には、
いったいどうなるでしょうか?

先進国は、途上国に最新の技術を供与すると思いますか?

仮にマネーゲームが先進国にとって不利になるようであれば、
ゲームのルールが変更になるでしょう。

このマネーゲームのルールを握っているのは先進国ですから、
途上国は絶対に勝てないようになっているというわけです。