(7)「DNA」と「民族・国籍」

あなたは、「日本」とか「中国」とか、それぞれの国名を意識して、「日本人」とか「中国人」などと国籍を意識していると思います。

しかし、ある日突然、中国人から日本人になってしまう出来事がありました。

1945年に第二次大戦は日本の敗戦により終結しました。

当時、中国の東北部に位置する場所…今でいう吉林省、黒竜江省、遼寧省、内モンゴルの一部に「満州国」が存在していました。

この満州国には、5つの民族が生活をしていて、その人口は、およそ4000万〜5000万人だったと言われています。

そのうち、日本人が80万人で、うち約30万人は民間人だったといわれていますが、この満州国は13年4ヶ月くらいでなくなりました。

敗戦により、何とか生きて日本に帰りたいが、誕生して1ヶ月〜 3ヶ月くらいの赤ん坊を抱えて、混乱の中、生きて日本に帰ることは不可能と思われていました。

船に乗って帰れるかどうか分からない、赤ん坊のミルクもない・・・そういう状況だったので、多くの日本人は大事な我が子を「何とかこの赤ちゃんの命を育んでください」と泣きながら、中国の夫婦に預け置いてきたのです。

その赤ん坊たちは、2020年で75歳になりました。

彼らは中国の言葉、中国の文字、中国の数、中国の名を取得して、中国人と認識して、中国人を演じて、中国人として何の問題もなく生活してきました。

ところが今から20年くらい前、中国の養父母があまりにも歳を取ってきたので、残留孤児として日本の父親、母親探しが始まります。

彼らに「実は、お前の父親と母親は日本人である」という話をしたのです。

そしてその瞬間、その中国人を何十年も演じてきた彼らが、 突然日本人を認識し、日本人を演じないわけにはいかなくなります。

そこで、何とか日本に行って日本の親戚を探し当てたいと思うようになり、多くの人たちが苦労されたようです。

このことが、いったい何を意味するのか?

この歴史的事実から2つの重大なことを学ぶことができます。

1つは、DNA上は確かに日本人の父母を証明することが可能です。

子供たちは中国の両親のもとで約70年間の自我形成をしてきました。

それは中国の地で、中国の「言葉」、「文字」、「数」、「名」の栄養源による自我形成した70年間です。

全ての動物は子供を産んでDNAを継承する事が可能です。

しかし子供を産むことよりも、子供を育て、教育し、自我形成をさせていく時間と環境の方が、よほど重くて大きいのです。

しかも、それにはエネルギーが必要です。

そう、子供を産むことよりも、どう育てるか、どう教育するか…という方が重要なのです。

医学的に考えれば、全く別の人の精子や卵子でも子供を作ることが可能です。

なので、本当の父親・母親はどうこうというテーマは、それほど重要ではなく、どう育てるか、というテーマが重要なのです。

しかし、現在の法律ではDNAの方が優先されてしまいます。 が、これからは少しずつ、生みの親よりも育ての親の権利が強くなっていくのではないでしょうか。

次に重要なことは、DNAの中には国籍や民族の情報は無いということです。

世界中の誰のDNAを取っても、そこには国籍・民族の情報は全くありません。

しかしなぜか、皆、国籍を意識しています。

これは自我形成の教育過程で「言葉」、「文字」、「数」、 「名」を取得しながら、日本人であれば、日本人を認識して演じている世界があるからです。

これはとても重要なテーマです。

これからの未来を担う若者たちが、民族や国籍の認識が自我形成の中で出来上がり、認識し、演じていく…という理解が進んできた時に、民族や国籍のエリアを卒業できる可能性があるのです。

但し、ここでは自己(自我)が、アイデンティティや民族の意識を持ったり、国籍の意識を持つというのも重要であり不可欠なのです。

これを十分経過しないと卒業はできないのです。

簡単に壁を壊したり乗り越えたりすることは不可能です。

なので民族や国籍を否定するわけではありません。

しかし、民族や国籍をどうやって認識しているかを考えた時に、教育の過程で認識しているということです。

ということは、未来に国籍・民族エリアを卒業できる可能性があるということです。

現時点では、世の中の人にそれが染み付いてしまっているので難しいですが、今、20歳くらいの人達のが20年後、30年後と…こうした話を重ねてしていくことによって、変わる可能性が十分にあるということです。

私たちホモサピエンスは一つの種です。

民族が違っていても結婚すれば子供が作れます。

一つの種なので、もともと助け合えるのです。

こうしたことが教育の過程で、認識が変わってくれば、人間社会は徐々に平和になっていくと思います。

そして、そういう時代が実際にこなければいけないのです。

そのためには、こうした話をまずは私たちが人々に伝えていく努力をしなければいけないということです。

今、私たち人類は3つのエリア(1.自己/ 2.企業・団体/ 3.国・民族)の中で物事を考えています。

すると当然、他の国は信用できない、他の民族は信用できない…となり、ならばこの国の中で全てを完結しないといけない…となるわけです。

これまでの歴史を振り返ると、殆どがエネルギー問題が戦争に繋がっています。

他の国が信用できないから産地からそれをタンカーで運び、日本で発電してエネルギーに変える。

これは国防上、今はやむを得ない話です。

しかし将来、国籍や民族から卒業し、地球上の80億人が役割分担をして、お互いに助け合うという教育が浸透した時に、それはどうなるでしょうか。

そう、エネルギー問題や食糧問題は全て解決できるのです。

例えばの話。

ロシアの北方に油田もあればガス田もあります。

そういう場所で多くの国が発電所を作ります。

モンゴルの地下にもシェールオイルが世界の100年分くらいありますし、石炭だってあります。

そんな場所に巨大発電所を作ったり、風力に適した場所、ダムに適した場所・・・あらゆる地域の得意なところに巨大な投資をして、世界送電線ネットワークを作る。

今の技術があれば、損失率も極めて少なく海底電線も可能です。

するとエネルギーコストは極端に下がりますし、エネルギーは十分に賄えるようになります。

もっと突き詰めて考えれば、フリーエネルギーの技術も実際にあるので、そうしたエネルギーが世界中で使われるようになれば、世界中の人の暮らしが豊かになっていきます。

ただ、まだ今のところこれらは未来の話です。

今はエリアの中で物事を考えているので無理な話です。

だからこそ、これからの20年後、30年後に若者に世の中の仕組みを根底から変えてもらいたいわけです。

そして、お互いに信頼できる世界の環境に変えてもらいた いのです。

そうすることで、エネルギー問題も食料問題も解決できる のです。

例えば、モンゴルの一番東側、ノモンハン事件があった場所はソビエト連邦傘下の時には広大な農業地区でコルホーズをやっていました。

補足
※「ノモンハン事件」とは、1939年5月〜9月にかけて、満州国とモンゴル人民共和国の間の国境線をめぐって発生した紛争のこと。

※「コルホーズ」とは、ソビエト連邦の集団農場のこと。モンゴルは、小麦、トウモロコシ、玉ねぎ、ジャガイモの輸出国でもあったのですが、1991年にソビエト連邦の崩壊とともに殆どの若者が都会に出てしまい、市場主義経済となった結果、モンゴルの食料事情は崩壊し、輸入国となりました。

今、アジアの中で注目されるのが北朝鮮です。

北朝鮮の2500万人の食料を将来的に解決しなくてはならないのですが、これは決して南北の問題だけでなく、アジア全体の問題であり、世界全体の問題でもあるのです。

そこで、モンゴル政府にドルノト地域の100万ヘクタールの土地を借り、そこに日本、韓国、中国、ロシアがお互いに農業支援として資本と機械を投入します。

ただし農業労働者は北朝鮮から連れてきます。

そして、北朝鮮のわずか10万人の人たちが農業製品、酪農製品、牧畜に従事するだけで、2500万人の北朝鮮全員の食料が全て解決できるようになるのです。

カザフスタンにもモンゴル以上に広大な土地があります。

まだ未開発の土地が沢山あるのです。

 

例えば米。

日本には素晴らしい米作りの技術がありますが、残念ながらTPPなどで世界に勝てる競争力はありません。

日本の米は、その地域で消費する地産地消で維持できます。

もっと本格的な資本と技術を投入する必要があるのは、カンボジアやベトナムなど、二毛作、三毛作のところです。

こうしたところに資本や技術、それに素晴らしい労働技術を投入することで分かち合うのです。

それぞれの地域には、それぞれの特徴があります。

それを分かち合えるようになれば、今の争いの元が殆ど解決できるようになるのではないでしょうか。

こうしたことが出来るようになるには、国籍や民族というエリアから卒業をすることです。

前にも述べたように、国や民族が戦っているのではありません。

日本と中国が戦っているわけではないのです。

日本を背負っている人たち、中国を背負っている人たちの 自己(自我)が戦っているのです。

つまり、将来的に「国・民族」、「企業・団体」、「自己・自我」…この3つのエリアからどうすれば卒業できるかが問題なのです。

人類がここに到達できなければ、第三次世界大戦…それは全面核戦争となる可能性が極めて大きいとのです。

そして、この核戦争が勃発してしまえば、もはや人類は滅びてしまうでしょう。

今を作っているのは、今の大人たちです。

なので、どういう変化が起こっても、それを受け入れるしかありません。

が、この先、核戦争が起こる要因となるようなものは残したくありませんよね。

できれば国や民族を超えて、お互いに助け合える世の中になってほしいものです。

私の年代なら30年後、40年後には、この世にはいないかも知れないので、自己(自我)を卒業しなくても構わないかもしれません。(少なくとも私はそんなことは思いませんが)

しかし、そういう考えでは絶対に真の世界平和を作ることなんて絶対に無理です。

そして一番の問題は、これからを生きる若い世代です。

前に言ったように 、

  • 自己(自我)とはなにか?
  • 人(人間)とはなにか?
  • 生命とはなにか?
  • 実体とはなにか?

この4つを掘り下げることによって、世界中の問題の根本的な解決方法が見つかってきます。

日本が国連で「原爆を減らしていこう」「核弾頭を禁止にしたい」と言うと、156ヶ国が日本に賛成してくれました。

が、10ヶ国の核保有国は全く賛成しませんでした。

それは、それぞれの国の利益のために賛成をしないのです。

それを突き詰めると、それぞれの自己(自我)のテーマになるわけです。

だから自己(自我)というものはいつ成立するのか?そして、自己(自我)がどうやって形成されて成長するのか?ということを多くの人に分かってもらる必要があるわけです。

それが世界中に浸透した時に、3つのエリアから卒業できる可能性があるということなのです。

そしてそれが真の世界平和へと繋がっていくのです。

1 個のコメント

  • 伊藤 より:

    自我の形成と、3つのエリアからの卒業の必要性、良く理解できました、私自身、子供の頃から漠然と持ち続けてきた想いでもあり、とても共感できます。私は還暦近い年齢ですが、利他愛・人類愛を源とする生き方、それを自分の息子へも伝承していく事が、自分のこれからの使命なのだ、と実感しました。真にありがとうございます。

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