日本神話/(29)古事記:高千穂と神々の闘い⑧大和への進撃

その後一行に高御産巣日神(たかみむすびのかみ)の羽翼が届いた「これより奥地は荒ぶる神がひしめく。危険なので案内に八咫烏を遣わし導こう」

その言葉に従い一行は、吉野川の河下に無事着いた。

そこには国津神の贄持之子(にえもつのこ)がおり、光る井戸から来た井氷鹿(いひか)と、岩を押し分けて来た石押分之子(いわおしわくのこ)と共に服従することを誓った。

さらに宇陀(うだ)に踏み入ると兄宇迦斯(えうかし)と弟宇迦斯(おとうかし)が支配する地に辿り着いた。

神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)は、この兄弟に八咫烏を遣わし、服従するか尋ねたが、兄宇迦斯はなんと、鏑矢で八咫烏を追い払い、罠を仕掛けた御殿に一行を誘い込み強襲しようとした。

しかし、弟宇迦斯はひそかに兄の謀略を神倭伊波礼毘古命に伝え帰順したので、一行は難を逃れたのであった。

その後、道臣命(みちおみのみこと)と大久米命(おおくめのみこと)の二人が兄宇迦斯を呼びつけ「お前が造った御殿に自ら入り、我が主に忠誠を誓う気持ちを示すのだ」と言って、刀や矛を用いて迫ると、兄宇迦斯は自らが作った御殿の罠にかかって押しつぶされて命を落とした。

二人はすぐに遺体を罠から出し、斬り刻んだ。

それでこの地を宇陀の血原と呼ぶ。

そして弟宇迦斯が献上した多くのご馳走は、神倭伊波礼毘古命かに勝利の宴で捧げられたのであった。

この時に歌った勝利の喜びの歌が「久米歌」とされる。

八咫烏
八咫烏は東征の際に神武天皇を熊野から大和まで道案内したとされる霊鳥で、導きの神として信仰されています。また太陽の化身とも考えられ、熊野三山ではカラスは神使とされ、熊野大神に仕える存在でもあり、平安時代により中国の伝説の鳥「三足烏(さんそくう)」と同一視されはじめ、三本足の烏として現代でも日本サッカー協会のシンボルにも使われています。

 

熊野三山
熊野三山(くまのさんざん)とは、和歌山県熊野地方にある本宮町の熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)と、新宮市にある熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)、那智勝浦にある熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)の三箇所の神社の総称で「熊野大社」とも言い、全国の熊野神社の総本社です。古来より修験道の修行地として信仰を集め、霊場や浄土と考えられてきたので、未だに全国から多くの人々が熊野詣に訪れています。

熊野本宮大社

熊野速玉大社

熊野那智大社

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

(20)古事記:出雲と天孫降臨⑨天孫降臨と猿田毘古神

(21)古事記:出雲と天孫降臨⑩天照大神の神勅

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(22)古事記:高千穂と神々の闘い①木花之佐久夜毘売と石長比売

(23)古事記:高千穂と神々の闘い②木花之佐久夜毘売の出産

(24)古事記:高千穂と神々の闘い③海幸彦と山幸彦

(25)古事記:高千穂と神々の闘い④火照命と火遠理命の争い

(26)古事記:高千穂と神々の闘い⑤豊玉毘売の出産

(27)古事記:高千穂と神々の闘い⑥神倭伊派礼毘古命の東征

(28)古事記:高千穂と神々の闘い⑦熊野での苦戦

 

本日の課題

1:今回の学びで感じたことをシェアしてください。

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