日本神話/(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

地上へ追放される途中で須佐之男命は、食べ物を貰うために大気津比売神(おおげつひめのかみ)を訪ねたが、大気津比売神が食べ物を鼻や口、尻から出している様子を目撃する。

これに大変怒った須佐之男命は大気津比売神を斬り殺してしまう。

その大気津比売神の遺体からは様々な穀物が生まれる。

頭に蚕、両目に稲の種、耳から粟、鼻に小豆、陰部に麦、尻に大豆が生まれた。

神産巣日神(かみむすびのかみ)は、これらを集めて種とし五穀の起源となった。

その後、須佐之男命は地上を放浪していたが、やがて出雲国(いずものくに)の肥河(ひかわ)に降り立つ。

川沿いの民家に辿り着くと、その家の老夫婦と娘が泣いていた。

事情を聞くと、「恐ろしい八俣大蛇(やまたのおろち)が娘を襲いに来るのです。

もともと8人いた娘も、この櫛名田比売(くしなだひめ)一人になり、今年もその時期が来たので泣いていました」と老夫婦は言った。

その話を聞き「ならば自分がその大蛇を退治してやろう。その代わりに、もしその大蛇を退治出来たら娘の櫛名田比売を妻に欲しい」と申し出た。

老夫婦は須佐之男命が天照大神の弟だと知るとこれを快諾する。

夜、凄まじい地響きと共に現れた大蛇。

その大蛇こそ、八俣大蛇だった。

八俣大蛇は家を包み込むように巻き付くと、樽に入った強い酒を飲み干し、酔っ払い寝込んでしまった。

家の中から覗いていた須佐之男命は、この時とばかりに飛び出し、八俣大蛇の首をことどとく切り落とし退治した。

須佐之男命と八俣大蛇

そうして、最後に残った八俣大蛇の尻尾を切ると中から剣が現れた。

「これは凄い剣だ‼︎ 姉君に献上しよう」

これが三種の神器の1つである草薙剣(くさなぎのつるぎ)である。

こうして須佐之男命は英雄となり、櫛名田比売と夫婦になった。

その後、立派な宮を須賀の地に建て、住むことにした須佐之男命すは次の歌を詠んだ。

八雲(やくも)立つ  出雲八重垣(いずもやえがき)妻籠(つまごみ)に  八重垣作る  その八重垣を

【通釈】 沢山の雲が幾重にも沸き立つ、この美しい出雲の地に、妻と一緒に住むための大きな住まいと八重垣を作った。その八重垣を巡らしたように。

この歌は日本で最初に歌われた和歌と言われている。

須佐之男命が出雲の地で産んだ神の末裔は、国津神(くにつかみ)と呼ばれ、大国主神(おおくにぬしのかみ)はその筆頭となる神様です。

赤枠の宇迦之御魂神については下記の通り。

宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
五穀豊穣の神様で全国に約3万社あると言われる「稲荷神社」の祭神として祀られています。
時代が下るとともに豊穣のみではなく、商売繁盛、家内安全、交通安全など幅広い信仰を司って今に至ります。

 

八岐大蛇の話(動画)

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    須佐之男命は、荒ぶる幼い子供のような一面もありますが、頼りがいのある強いお父さんのような一面もありますね。人も神も陰陽どちらの面を持っているので、見えている面だけで判断してはいけませんね。

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