日本神話/(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

やっと八十神たちから逃れた大国主神が根の堅州国(かたすくに)に辿り着くと、須佐之男尊の娘である須勢理毘売(すせりびめ)が出迎えた。

初めての出会いであった二神だったが、すぐに心を通い合わせ婚姻を言い交す。

そこで須勢理毘売が父神の須佐之男尊の元へ連れて行き「立派な神様が来ておられます」と言った。

そこで大国主神を一目見た須佐之男尊は数々の試練を大国主神に課すことにした。

まず須佐之男尊は、大国主神を無数の蛇の這い回る室屋(むろや)に寝かせた。

須勢理毘売が、蛇を祓う領巾(ひれ)を大国主神に渡し「この領巾を三度振って蛇を追い払いなさい」と言った。

大国主神がこの言葉通りにすると蛇はあっさり退散してしまう。

次の日の夜、大国主神は、ムカデと蜂のいる室屋に入れられた。

今度も須勢理毘売がムカデと蜂を祓う領巾を大国主神に渡して難を逃れる。

さらに須佐之男尊は、大国主神に鳴鏑(なりかぶら)を野原に放ち、その鳴鏑を取ってくるように命じた。

そこへ須佐之男尊は火を放ち大国主神は逃げ場を失ってしまう。

その時どこからか鼠(ねずみ)が現れて大国主神の窮地を救う。

その鼠が教えてくれた洞穴に入り隠れていると、野を焼いていた炎は洞穴の上を通り過ぎて難を逃れた。

さらに鼠は須佐之男尊の鳴鏑をくわえて大国主神の元に渡した。

こうして命がけの三つ目の試練を乗り越えた大国主神だったが、須佐之男尊の試練はまだ終わらなかった。

自らの頭の虱(しらみ)を取るように大国主神に命じたが、須佐之男尊の頭を覗くとムカデが巣くっていた。

ここでも須勢理毘売が機転を利かせ助ける。

椋(むく)の実と赤土を大国主神に手渡し、それを嚙み砕いて吐き出させた。

須佐之男尊はこれを見てムカデを嚙み潰したと思い、安心し眠りについた。

この隙に二神は須佐之男尊の髪を室屋の柱に結び付け、入口を大岩で塞いで逃げ出した。

そして須佐之男尊の大事な宝物である生太刀(いくたち)と生弓矢(いくゆみや)と天詔琴(あめののりごと)を持ち出していたが、急いで逃げたので天詔琴(あめののりごと)が木の枝に触れて音が鳴り響いた。

この音を聞いて目覚めた須佐之男尊だったが、柱に結んだ髪を解く間に二神は遠くに逃げおおせた。

須佐之男尊は黄泉比良坂(よもつひらさか)まで二神を追って行き「生太刀と生弓矢で、八十神たちを追い払い大国主神になれ。そして宇都志国玉神(うつしくにだまのかみ)となって、須勢理毘売を妻とし宇迦(うか)の山の麓に、大きな宮殿を建てて住め」と呼びかけて大国主神をついに認めたのである。

この時、正式に大国主神という名を授かったと言われる。

領巾
古代、婦人が正装の時、肩にかけた細長く薄い布で、害虫や毒蛇などを追い払う呪力を持つと信じられた。
鳴鏑
矢の先端の鏑かぶらに穴を空け、放つと音が出る矢のこと。
宇都志国玉神
葦原中国(あしはらのなかつくに)の霊のこと。
須勢理毘売
須勢理毘売は、須佐之男尊の娘ですが、名前のスセリは「進む」と同じ意味で、勢いのある様子が名前の語源となっています。また父神である須佐之男尊の巫女とも考えられています。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    他の力を借りられることが最大の強みなのかも知れませんね。漫画ワンピースの主人公を思い浮かべてしまいます。他を味方に付けると云うことは決してブレないどこまでも真っすぐで素直な心の人間でなければならないのかなと思いました。

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