日本神話/(21)古事記:出雲と天孫降臨⑩天照大神の神勅

天照大神は天瓊瓊杵命(あめのににぎのみこと)に三種の神器(八尺瓊勾玉、八咫鏡、草薙剣)を渡し、天児屋命(あめのこやねのみこと)、布刀玉命(ふとだまのみこと)、伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと)、玉祖命(たまのやのみこと)、天宇受売命(あめのうずめのみこと)の五柱の天岩戸の時に活躍した神々と思兼神(おもいかねのかみ)、天手力男命(あまのたぢからおのみこと)、天石門別神(あまのいわとわけのかみ)を共に副えて猿田毘古神(さるたひこのかみ)の先導により一行を天降らせることにした。

そして天照大神は八咫鏡を渡すときに「この鏡を私と同じように祀り、この鏡に自らの姿を写し、そこに我が写ったなら取り払いなさい。思兼神は祭事に関することを取り扱い、政(まつりごと)を執り行いなさい。」と神勅を告げた。

そして天照大神は伊勢神宮の内宮に、豊受大神(とようけのおおかみ)は外宮に現在も祀られている。

 

天石門別神は別名で、櫛石窓神(くしいわまどのかみ)、豊石窓神(とよいわまどのかみ)と言う。

この神は天皇の宮殿の四方門に祀られていた守護神である。

天手力男命は、伊勢国の佐那神社(三重県多気郡多気町)に鎮座している。

天児屋命は、中臣連(なかとみのむらじ)の祖先で、藤原氏の祖神にあたり、布刀玉命は忌部首(いんべのおびと)の祖先となった。

天宇受売命は猿女君(さるめのきみ)の祖先に、伊斯許理度売命は鏡作連(かがみつくりのむらじ)の、玉祖命は玉祖連(たまのやのむらじ)の祖先となったという。

また天照大神は天瓊瓊杵命に対して「この豊葦原水穂国(とよあしはらみずほのくに)は、汝が知らさむ国ぞ。したがって命令のとおりに天降りなさい。」と神勅を授けた。

これは我が国統治に関する神勅で日本書紀においては「天壌無窮(てんじょうむきゅう)の神勅」と言われる。

御鏡を授けた際の神勅を「宝鏡奉斎(ほうきょうほうさい)の神勅」、稲穂を授けた際に伝えたものを「斎庭稲穂(ゆにわいなほ)の神勅」と言い、日本の理念を表す三大神勅として現在も重要視されている。

 

天瓊瓊杵命が高天原を離れ、八重にたなびく雲を押し分け天浮橋にある浮島に立ち、そこから筑紫の日向(ひむか)の高千穂のくじふる嶺たけに降り立った。

その時に天忍日命(あめのおしひのみこと)と天津久米命(あまつくめのみこと)が太刀と弓矢を持って仕えに来ると、素晴らしい土地に感動した天瓊瓊杵命が「この地は韓國からくにに向かい、笠沙岬(かささみさき)にまっすぐに道が通じて、朝日が照り輝き、夕日も照り輝くこの地はとても良い所だ。」と言って、地下まで大きな柱を立て、天に千木を高くそびえさせて大きな宮殿を建てた。

高千穂論争
天瓊瓊杵命は、天孫降臨の際に高千穂に降り立ったと記されていますが、宮崎県には「高千穂」と言われる場所が2ヶ所あります。一つは「高千穂町説」と呼ばれ、宮崎県西臼杵郡高千穂町にある槵觸嶽。もう一つは「高千穂峰説」と言われる宮崎県と鹿児島県の県境にある高千穂峰で、霧島連峰の一つです。少なくとも奈良時代には、このいわゆる「高千穂論争」は存在しており、現在も論争は続いています。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

(20)古事記:出雲と天孫降臨⑨天孫降臨と猿田毘古神

本日の課題

1:今回の学びで感じたことをシェアしてください。

1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    三大神勅のくだりが古事記で最も重要なエピソードのひとつだと思います。
    曇り無く単純で暖かいが、その逆も含んでいると感じました。

  • コメントを残す