日本神話/(20)古事記:出雲と天孫降臨⑨天孫降臨と猿田毘古神

高天原に建御雷神(たけみかづちのかみ)より葦原中国に平定の報せが届くと、天照大神は地上に統治者を派遣する運びとなった。

そこでまず統治者として天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)に命令が下った。

これに対し天忍穂耳命は「私よりも我が子の天瓊瓊杵命を任命するのがふさわしいかと思います。」と申し出たので、代わりに天瓊瓊杵命(あめのににぎのみこと)が派遣されることとなり、「この地豊葦原(とよあしはら)の水穂国(みずほのくに)は、あなたが治めるべき国である。」と天瓊瓊杵命が委任を受けた。

天瓊瓊杵命と一行が神々を率い降臨する途中で、天八衢(あまのやちまた)という分かれ道にさしかかった時、高天原と葦原中国を照らす神が現れた。

天照大神は天宇受売命(あめのうずめのみこと)に「あなたは女だが、気おくれしない女神です。あの道を照らす神の名を尋ねなさい。」と言うと、天宇受売命は早速その神に名を尋ねた。

「我は国津神の猿田毘古神(さるたひこのかみ)であります。我が此処にいるのは天津神が地上に降るとお聞きしたので、先導の為にお迎えに上がったところでございます。」と応えた。

こうして猿田毘古神の名を明かした功績により、天宇受売命は猿田毘古神に仕えて猿女君(さるめのきみ)と呼ばれるようになったと言う。

また一説には、二神は夫婦になったともいい、村境や道路の分岐点に立てられる道祖神は猿田毘古神と天宇受売命であるとされる。

その後天宇受売命は猿田毘古神の故郷である伊勢国へ二人で行くことになった。

そして伊勢の海で天宇受売命は、海に棲む生物を呼び集めて神の御子に仕えるか尋ねるとナマコだけは返事をしなかった。

すると天宇受売命は、「何も返事をしない口はこうしてあげよう。」と、持っていた小刀を出して、ナマコの口を切り裂いてしまった。

このことによりナマコは今に至るまで口が横に裂けていると言われる。

天瓊瓊杵命(あめのににぎのみこと)
天瓊瓊杵命は、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)の次男とされ、兄に天火明命(あめのほあかりのみこと)がいます。造化三神の高御産巣日神(たかみむすびのかみ)と天照大神の孫にあたる神なので「天孫降臨」と言われ、農業の神様として高千穂神社などに祀られています。
猿田毘古神(さるたひこのかみ)
毘古神神は、天孫降臨の際に突如現れて道先案内をしたとされる神様です。その後、伊勢国の五十鈴川の故郷に帰り、海で漁をしている時に溺れて死んだと言われ、椿大社(三重県鈴鹿市)に葬られたと伝えられています。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    神話を国の歴史として観ると,それぞれの登場人物には大切な役目が有りますね。猿田毘古神は王の案内人のであり、八咫烏とも似ています。

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