日本神話/(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

天照大神は天鳥船神(あめのとりふねのかみ)を共に付けさて建御雷神(たけみかづちのかみ)を葦原中国(あしはらなかつくに)に派遣することにした。

そして二神は出雲の伊那佐(いなさ)の浜に降り立つ。

まず建御雷神は剣を抜いて束を波に刺し立て、剣の切っ先にあぐらをかいて座ると大国主神と対峙し「私はこの地に天照大神の意向で遣わされた。あなたが領有する国は、我が天の御子の治めるべき国である」と国を譲るように迫った。

大国主神は建御雷神に国譲りを迫られたが、「私はお答えできません。私の子である事代主神(ことしろぬしのかみ)が代わりに答えましょう。」と言い、後継者の事代主神の居場所を伝えた。

事代主神の居場所を聞いた建御雷神は直ちに天鳥船神を遣わせる。

美保の岬に居た事代主神は天鳥船神に連れられて伊那佐の浜にやって来ると、「畏れ多いことでございます。この葦原中国の統治は天津神(あまつかみ)のご子孫に奉りましょう。」と言い、乗って来た船を踏み傾けて、天逆手(あまのさかて=呪術的な動作の柏手)という柏手をし、船を青い柴垣に変化させて、その柴垣の中に隠れてしまう。

こうして事代主神は父である大国主神の真意を理解して、あっさりと国を譲ってしまったのである。

 

ウシハクとシラス
建御雷神は国譲りを迫る際に「ウシハク」と「シラス」といぅ言葉を使いますが、「ウシハク」とは国を治める時に権力によって領有することを意味し、「シラス」は逆に民衆の為に平和を祈る心を持って統治することと言われます。
つまり建御雷神は大国主神の政治は権力と武力による統治なので、民衆の為の政治を行う為に国を譲ってほしいと交渉したのです。
これを理解した大国主神は子供たちに託しました。
美保神社
島根県松江市にある美保神社は事代主神を右殿に祀り、左殿に大国主神(大物主神)の后である三穂津姫命(みのつひめのみこと)を祀っています。
大社造の左右二殿連棟の特殊な形式で「美保造」または「比翼大社造」といわれ、国の重要文化財に指定されています。
事代主神は鴨氏が崇めていた神とされていて、奈良県御所市の鴨都波神社が事代主神信仰の本源ともされています。
事代主神
事代主神は大国主神の子供で、「ことしろ」は「事を知る」の意味で託宣の神とされています。
また天皇守護を司る八神の1柱として、現在も皇居の宮中三殿の1つである「神殿」に祭られている重要な神様でもあります。

美保神社

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    いままで日本は「ウシハク」で統治されていると思って来ましたが、実は違うのではないだろうかと思い始めています。
    暮らしずらいような息苦しさはリアルにありますが、権力や武力で押さえつけられてはいません。
    むしろ環境を文化的に整えてもらって、わりと平和に生かされているのではないでしょうか。
    感謝を忘れ、奢り昂るときに罰が当たるのかも知れませんね。

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