日本神話/(28)古事記:高千穂と神々の闘い⑦熊野での苦戦

那賀須泥毘古(ながすねびこと)の戦で、五瀬命(いつせのみこと)を失ってしまい悲しみに暮れた神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)率いる東征軍だったが、太陽を背にして戦うべく、熊野から大和を目指した。

紀伊半島の太平洋沿いを南下し、熊野地方に上陸を果たすと、突然、茂みから大きな熊が現れ、姿を消したと思うや一行は毒気に当てられ兵も皆気を失ってしまう。

そこに高倉下(たかくらじ)という者が霊剣を持ってやって来て、その霊剣を用いて辺りに立ち込めていた毒気を祓い清めた。

すると、すぐ意識を取り戻した神倭伊波礼毘古命かは「長く寝ていたな」と言うと、高倉下が持っていた霊剣を受け取り、それを振るうと剣の霊力を恐れた熊野の荒神はことごとく逃げ去り、兵も皆無事に意識を取り戻したのであった。

高倉下がその霊剣を手にする前に夢を見たという。

「私の夢の中で天照大御神と高御産巣日神(たかみむすびのかみ)が建御雷神(たけみかづちのかみ)を召喚し『此処のところ葦原中国(あしはらなかつくに)が騒がしい。それで我が御子達が苦しんでいるようだ。葦原中国はそなたが平定した国なので、建御雷神お主に現地を治めてほしい』と伝えました。

建御雷神は、『私が行かずとも、その国を平定した剣があるので、それを熊野の高倉下に授けましょう』と応え、私に向かい『高倉下の倉の屋根より剣を落とし入れるから、その剣をお前が受け取り天津神の御子に授けよ』と仰せつかりました。」

目が覚めた翌朝、高倉下が倉を見ると、まさに夢の中の霊剣がそこにあったので、剣を献上しに参じたという。

神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)が授かったこの剣の名は佐士布都神(さじふつのかみ)、別名を布都御魂(ふつのみたま)またの名を甕布都神(みかふつのかみ)という。

那賀須泥毘古
神武東征の中で一行の進軍を阻んだのが、倭にいた那賀須泥毘古の勢力です。東征軍が倭に進軍した際に、最初は那賀須泥毘古に敗れて撤退し、五瀬命は重症を負って死んでしまいます。しかし、天津神の饒速日命(にぎはやひのみこと)に裏切られた那賀須泥毘古の軍勢は求心力がなくなり、服従しました。「日本書紀」によると饒速日命に殺されたと書かれています。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

(20)古事記:出雲と天孫降臨⑨天孫降臨と猿田毘古神

(21)古事記:出雲と天孫降臨⑩天照大神の神勅

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(22)古事記:高千穂と神々の闘い①木花之佐久夜毘売と石長比売

(23)古事記:高千穂と神々の闘い②木花之佐久夜毘売の出産

(24)古事記:高千穂と神々の闘い③海幸彦と山幸彦

(25)古事記:高千穂と神々の闘い④火照命と火遠理命の争い

(26)古事記:高千穂と神々の闘い⑤豊玉毘売の出産

(27)古事記:高千穂と神々の闘い⑥神倭伊派礼毘古命の東征

 

本日の課題

1:今回の学びで感じたことをシェアしてください。

1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    霊剣みたいなアイテムが登場すると少しワクワクします。いくつになっても中二病的なものが抜けない自分に驚きます。

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