日本神話/(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

建御名方神(たけみなかたのかみ)が降伏すると建御雷神(たけみかづちのかみ)は、再び出雲に引き返し大国主神(おおくにぬしのかみ)に「そなたの子である建御名方神たけみなかたのかみは我々に従う意志を表明した。二神は国を譲ると申し出たが、そなたの意見も伺おう」と尋ねる。

大国主神がそれに答え「我が子の二柱の神の申した通りでございます。私も仰せの通りに葦原中国あしはらなかつくにをお譲り致します。」と申し出たが、それと同時に自分の住む住居の建設も次のように願い出た「ただし、私の住む所は、天照大神の住まう立派な宮殿のように地底の岩盤に届くほど太く大きな柱を立て、高天原にまでそびえるような高い千木を付けた大きな神殿をお造りし、そこに私を住まわせて頂きたい。それが叶うのであれば隠れ籠っておりましょうぞ。」

これが出雲大社の起源となった。

そして大国主神は続けて「私の子である百八十神(ももやそがみ)達は、事代主神(ことしろぬしのかみ)が先頭に立ち、また殿(しんがり)を務めるのであれば、誰も逆らう神はいないでしょう」と宣言し、これにより葦原中国(あしはらなかつくに)の国譲りが成ったのである。

その後、出雲国の多芸志(たぎし)の小浜に、立派な大国主神の住む神殿を建て、水戸神(みなとのかみ:河口の神)の孫にあたる櫛八玉神く(しやたまのかみ)を膳夫(かしわで)にして、神饌(しんせん)を祀り祝詞を奏上させた。

まず櫛八玉神は鵜に化生し、海底まで潜り、底に溜まった土を咥えて出て、それを材料にし、天八十毘良迦(あまのやそびらか:祭事用の皿)を作り、海藻の茎を刈り取り、ヒキリ臼を作り、火を起こして言った。

「この私が起こした火は、高天原にいる神産巣日神(かみむすびのかみ)の立派な新しい宮殿の煤(すす)が長く垂れさがるまで焚き上げ、大地の下は地底の岩盤に達するほど焚き固まらせ、長い楮こうぞの皮で作った釣り縄を海中に伸ばして、海人(あま)が釣り上げた大きな鱸(すずき)を引き上げ、鱸を載せる台がたわむほど積み上げ、神聖な魚を調理し献上します。」

この櫛八玉神の言葉を聞いた建御雷神は、高天原に帰り、神々の前で葦原中国に平定の報告を行った。

出雲大社
出雲大社は何度か改築されており、現在の本殿は江戸時代中期の物で高さ24メートルありますが、かつては48メートルあったという説もあります。平安時代の貴族の教養本にある雲太(出雲大社)・和二(東大寺)・京三(大極殿)という高層建築を歌った句によると、東大寺の高さ47メートルよりも出雲大社が高かったようです。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

本日の課題

1:今回の学びで感じたことをシェアしてください。

コメントを残す