日本神話/(32)日本最初の歴史書「古事記」

「古事記」は西暦712年に編纂された日本最初の歴史書と言われる書物で、上巻(かみつまき)・中巻(なかつまき)・下巻(しもつまき)の全三巻からなる。

上巻は天地の創造から神代を語り、中・下巻は初代神武天皇から33代推古天皇までの事績を記す。

原本は現存せず、最古の写本が真福寺(現在の大須観音真福寺文庫:愛知県名古屋市)に残っている。

「古事記」の成立過程は、「序文」と呼ばれる部分に書かれているが、それによると40代天武天皇が、天皇家の系譜を記した「帝紀」と、朝廷の伝承を記した「旧辞」があったが、時と共に内容に手が加えられていき、史実と異なる記述が多くなってきた。

この虚偽を正そうと思い、稗田阿礼(ひえだのあれ)に誦習(しょうしゅう)させたのが始まりという。

天武天皇の死後、作業は中断されたが、43代元明天皇が引き継ぎ、太安万侶(おおのやすまろ)に命じ、稗田阿礼が口述した内容を筆録させたのが「古事記」となった。

「古事記」の特徴として上げられるのは、全体の3分の1が神代の神話で占められているということで、永続する国家の基盤を作るためには、天皇家が神の子孫であることを示し、支配体制の根拠とする必要があったからと言われる。

そして「古事記」を読み理解することで、日本の成り立ちや建国の理念がその中にある事に気づくであろう。

我が国統治の根本は、神勅にあるように「シラス国」であり、神の心と一つとなって国を治め、平和と繁栄を築くことに特質がある。

太安万侶
太安万侶(おおのやすまろ)は、奈良時代に活躍したとされる学者で「古事記」編纂を天武天皇が命じたことからも、かなり上級の文官(学者)だったと考えられています。子孫と言われる多人長(おおのひとなが)によると、「日本書紀」の編纂にも関わったと伝えられ、生年は不詳ですが、723年に死去したとあり、1979年に奈良県奈良市此瀬町の茶畑から墓が発見されています。

稗田阿礼
稗田阿礼(ひえだのあれ)は、天武天皇の名を受けて「帝紀」や「旧辞」などを誦習(しょうしゅう:朗読して暗記)したとされる人物で、天才的な記憶力と高度な教育を受けていたと言われます。天皇の警護や身の回りの雑務に従事する舎人(とねり)という役職で、天岩戸の段で活躍した天宇受賣命(あめのうずめのみこと)の後裔とされますが、詳しい資料が残っておらず、男性なのか女性なのかも不明な謎の多い人物です。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

(20)古事記:出雲と天孫降臨⑨天孫降臨と猿田毘古神

(21)古事記:出雲と天孫降臨⑩天照大神の神勅

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(22)古事記:高千穂と神々の闘い①木花之佐久夜毘売と石長比売

(23)古事記:高千穂と神々の闘い②木花之佐久夜毘売の出産

(24)古事記:高千穂と神々の闘い③海幸彦と山幸彦

(25)古事記:高千穂と神々の闘い④火照命と火遠理命の争い

(26)古事記:高千穂と神々の闘い⑤豊玉毘売の出産

(27)古事記:高千穂と神々の闘い⑥神倭伊派礼毘古命の東征

(28)古事記:高千穂と神々の闘い⑦熊野での苦戦

(29)古事記:高千穂と神々の闘い⑧大和への進撃

(30)古事記:高千穂と神々の闘い⑨邇芸速日命と那賀須泥毘古

(31)古事記:高千穂と神々の闘い1⑩神武天皇の即位

 

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    電子テクノロジーが全くない時代に膨大な物語の編纂は大変だったでしょうね。先人のおかげで今こうして古事記に触れられていることに感謝です。

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