日本神話/(23)古事記:高千穂と神々の闘い②木花之佐久夜毘売の出産

天瓊瓊杵命(あめのににぎのみこと)と木花之佐久夜毘売(このはなさくやひめ)が結婚してからほどなくして、木花之佐久夜毘売は懐妊したことを夫に告げる。

しかし一夜しか共にしていないのに身籠るはずはないと考え「その腹の子は我が子ではなく、どこかの国津神の子に違いない」と疑った。

これを聞いて怒った木花之佐久夜毘売は、「身籠った子が国津神の子であれば、無事に生まれず、貴方の子であれば、無事に生まれるでしょう」と言い残して立ち去った。

そしていよいよ産気づいてきた出産時に、木花之佐久夜毘売は、出入口が無い四方を壁に囲まれた八尋殿(やひろどの)を建てて籠り、壁をことごとく土で塗り固め、そこに自ら火を放って出産に臨んだ。

そして木花之佐久夜毘売は、自らの予言通り、燃え盛る産屋の中で無事に出産する。

こうして火の中で生まれた子が、火照命(ほでりのみこと:海幸彦)、火須勢理命(ほすせりのみこと)、一番最後に生まれたのが三男の火遠理命(ほおりのみこと:山幸彦)で、またの名を天津日高日子穂々出見命(あまつひこひこほほでみのみこと)の三柱であった。

三男の火遠理命の孫が初代天皇になった神武天皇、別名:神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこ)である。


火中出産
木花之佐久夜毘売は、産屋に自ら火を放ち、燃え盛る火の中で3人の御子神を出産しました。同じようにな火中での出産を記した物語が「日本書紀」にもあり、皇孫の妻となった鹿葦津姫(かしつひめ)がまさに同じ状況下で三つ子(または四つ子)を生んでいます。火の中から新しい命が生まれるのは、農地に火を付けた後にさらに豊かな恵みをもたらす「焼き畑」を連想したとも考えられます。

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

(17)古事記:出雲と天孫降臨⑥事代主神の服従

(18)古事記:出雲と天孫降臨⑦建御名方神の反抗

(19)古事記:出雲と天孫降臨⑧大国主神の国譲りと出雲大社

(20)古事記:出雲と天孫降臨⑨天孫降臨と猿田毘古神

(21)古事記:出雲と天孫降臨⑩天照大神の神勅

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(22)古事記:高千穂と神々の闘い①木花之佐久夜毘売と石長比売

 

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    コノハナサクヤヒメは美人薄命でか弱いイメージですが、炎の中で出産するような激しい一面もあるようです。火は破壊と恵みの両方の特性があるので扱い方を誤ったら大変な事になりそうですね。

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