日本神話/(16)古事記:出雲と天孫降臨⑤葦原中国の平定と建御雷神

大国主神が少名毘古那神や大物主神と共に国作りをしたが、その様子を高天ケ原から見ていた天照大神は「あの美しい国は私の御子神天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)が治める地である」と言ってこの神を使者として遣わす。

しかし、天忍穂耳命が天浮橋(あまのうきはし)に立ち葦原中国にを覗くと、国津神たちが騒いでいる様子が見えたので高天ケ原に帰ってしまう。

そこで、高天ケ原の神々は天安河原に集まって思金神(おもいかねのかみ)を中心に策を考える。

その会議の結果、葦原中国に遣わす次の使者は、天菩比神(あまのほひのかみ)となった。

だが、この神は三年経っても帰って来ず、逆に大国主神に媚び従ってしまった。

次に天若日子(あまのわかひこ)が弓矢を渡されて派遣されたが、この神はなんと大国主神の娘である下照比売(したてるひめ)と結婚し、葦原中国をわが物にしようとする。

そこで、高天ケ原の神々は次に雉(きじ)の鳴女(なきめ)を天若日子(あまのわかひこ)の元に派遣して、本来の使命を忘れていないか問い正す。

しかし、鳴女の言葉も天若日子の耳には届かず、天津神から授かった弓矢で鳴女を射殺してしまった。

その矢は、鳴女の胸を貫いて高天ケ原の神々の元まで届いた。

飛んできた矢を手にした高御産巣日神は矢の羽に血が付いているのを見ると「この矢は天若日子に授けたもの。もし天若日子が悪を射た矢であるなら、彼に命中するな。逆に謀反を企てたよこしまな心をもって射た矢なら、天若日子に当たれ」と言って、その矢を投げ返した。

すると天若日子はその矢を胸に受けて死んでしまった。

天若日子の葬儀に阿遅志貴高日子根神(あぢしきたかひこねのかみ)が弔いに来たが、その姿が天若日子と瓜二つだったので生き返ったと間違われる。

間違われて怒った阿遅志貴高日子根神は、剣を抜いて喪屋(もや)を切り倒し、蹴飛ばしてしまう。

この喪屋もやが美濃国(みののくに=岐阜県)に飛んで落ちて喪山(もやま)になったと言われる。

これまで葦原中国に遣わした神々は失敗に終わり、天照大神は「次の使者はどの神がいいだろうか」と言って高天ケ原の神々と相談する。

そこで思金神は「天安河原の河上にいる伊都之尾羽張神(いつのおはばりのかみか)もしくはその御子の建御雷神(たけみかづちのかみ)を遣わすのがいいでしょう」と進言し、天迦久神(あまのかくのかみ)を天安河原の河上にいる親子の元に派遣した。

天迦久神(あまのかくのかみ)が伊都之尾羽張神に尋ねたところ「恐れ多いことですが、謹んでお仕えします。ただ葦原中国に遣わすのは、我が子の方が適任です」と言って直ちに建御雷神を使者として任命した。

阿遅志貴高日子根神
大国主神と多紀理毘売命の子である阿遅鉏高日子根神(あじすきたかひこねのかみ)は、別名を迦毛大神(かものおおみかみ)と呼ばれていて、天照御大神と同じ「大御神」の名を最初から持つ唯一の神です。また妹の下照比売命(したてるひめ)が兄神の名を教えるために歌った歌は夷振(ひなぶり)という。農業の神、雷の神、不動産業の神として信仰されて、奈良県の高鴨神社や福島県の都々古別神社で祀られています。

高鴨神社

 

これまでの学び

(0)古事記:はじめに

(1)古事記:天地開闢① 天地の始まりと神様の誕生

(2)古事記:天地開闢② 別天津神と神世七代

(3)古事記:天地開闢③ 伊耶那岐命と伊耶那美命の国生みと神生み

(4)古事記:天地開闢④ 伊耶那岐命

(5)古事記:天地開闢⑤ 伊邪那美命

(6)古事記:天地開闢⑥ 伊耶那美命の死と火之迦具土神

(7)古事記:天地開闢⑦伊耶那岐命の黄泉の国訪問

(8)古事記:天地開闢⑧禊祓と神々の誕生

(9)古事記:天地開闢⑨天照大神と須佐之男命の誓約

(10)古事記:天地開闢⑩天岩屋戸と高天ヶ原の神々

(11)古事記:天地開闢⑪五穀と須佐之男命の大蛇退治

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(12)古事記:出雲と天孫降臨①大国主神と稲羽の白兎

(13)古事記:出雲と天孫降臨②大国主神と八十神の迫害

(14)古事記:出雲と天孫降臨③大国主神の根の国訪問

(15)古事記:出雲と天孫降臨④大国主神の国作り

本日の課題

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1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    物語にはよく「荒れた地を制定し王になる」というストーリーがありますが、最も大切なのはその後だと思います。大国主も支配者になる事が本来の目的ではなかったはずです。

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