経済のカラクリ

 

「経済」というものは、市場においての取引きの積み重ねです。

人々は何かしら、いつも取引きをしています。

取引きとは、何かを「売る」ことと「買う」ことから成り立ちます。

この売買では、買い手は現金またはクレジットを提供し、それと引き換えに売り手が物品、サービス、資産などを提供します。

クレジットは現金ではありませんが、お金の一種なので、その取引き使われた金額を合計すると、買い手は「支払額」、売り手は「受取額」が分かります。

そして、これらの金額が経済を動かしているのです。

つまり、経済の動きは、この「取引き」によって起こるというわけです。

経済市場は、売り手と買い手が取引をする仕組みのことで、例えば、自動車市場、金融市場、株式市場など様々な市場がありますが、どの市場も「取引き」によって成り立っているということです。そう、経済は市場においての全ての取引きの積み重ねなのです。

なので、全ての市場で起こっている取引き額の総額が経済なのです。

政府も銀行も企業も、また一般の人であっても、この取引きをしていて、この取引きは現金またはクレジットで行われ、物品やサービス、資産と交換しているのです。

 

政府と中央銀行

政府は、税金を徴収して、お金を支出します。

中央銀行は、現金とクレジットの総量をコントロールします。

中央銀行は利子を自由に変動したり、新しい通貨を印刷できます。

このため中央銀行はクレジットの流れに大きな影響を与えます。

 

クレジット

多くの人が理解していないのが「クレジット」です。

クレジットとは、債務者(借り手)が返済を約束し、債権者(貸し手)がそれを信じることで発生する仕組みのことです。

売り手と買い手が取引きをするように、クレジットの取引きにおいても、貸し手と借り手が取引きをします。

クレジットでは、貸し手(主に金融業)は、お金を増やそうと借り手を信用し、お金を貸し付けます。

一方、借り手は手持ち金以上のモノを買いたいので借金をするわけです。勿論、借り手は元金に利子を付けて返済することになります。

そして、この利子が高いと借り手は減り、利子が低いと借り手は増えます。

このクレジットが発生すると、貸し手には「貸金」が発生し、借り手には「借金」が発生します。

つまり、貸し手にとっては「債権」であり、借り手にとっては「債務」です。

そして、借り手が元金と利子を返済すると、債権と債務は消滅し、取引は精算されます。

※クレジットとは、クレジットカードだけを指すわけではありません。

 

あなたの支出は他人の収入

借り手がクレジットを使うと支出額を増やせます。

そして、この支出が経済を成長させます。なぜなら、支出が他人の収入になるからです。

つまり、あなたの支出は他人の収入となり、あなたの収入は他人の支出なのです。

ということは、あなたの支出が増えると、他人の収入が増えるということです。

他人の収入が増えると、貸し手は貸出額を増やそうとします。

なぜなら、収入が大きくなれば、借り手の返済能力も増えたことになるからです。言い換えれば、「信用」が増えたということです。

返済能力が高くなると、貸し手は安心して貸せるからです。

ある人の支出は他人の収入となるので、もっと借りることができるようにり、この好循環が経済成長に繋がります。

ただ、それに伴い経済の波(上下運動)が起きます。この波を「クレジットサイクル」と言います。

 

クレジットサイクル

実は、このクレジットサイクルには、大きな波と小さな波の2つがあり、小さな波の動きは5~8年周期で、大きな波の動きは70~100年の周期で起きます。

この大きな波が最も下落した時に世界恐慌が起っています。

近年の世界恐慌は1857年に起き、その「72年後」の1929年にまた起きています。

その1929年から現在の2019年まで既に90年が経過していますので、70〜100年周期で起きることを考えれば、この10年以内に起こる可能性があります。

但し、この波は日ごと、週ごとに起こっているので大きな波の動きには気づきにくいです。

 

クレジットが無い経済とクレジットが有る経済

クレジットの無い経済を想像してみてください。

支出を増やす唯一の方法は、収入を増やすことです。

但し、クレジットが無い環境で収入を増やすには、生産性と労働時間を増やす必要があります。

生産を増やさないと経済が成長できないからです。

あなたの支出は、イコール他人の収入なので、生産性が増えると経済成長は可能です。

この環境での経済成長は、生産性の成長と同時に起きるということです。

しかし、クレジットが可能になると経済の波が起こります。

あなたが、自分の収入以上の買い物をするには、収入以上を支出する必要があり、クレジットが必要になります。

しかし、これは未来の自分から借金をすることと同じです。

すると、そのクレジットの返済のため収入より支出を減らさないといけません。

これが経済の波(上下運動)を引き起こします。

借金をすることは、経済の波を引き起こすことになり、これは個人でも経済全体でも同じです。

 

現金とクレジット

クレジットはお金の一種ですが、現金と違って特殊な性質を持っています。

お金は売買の取引に使われるツールです。

例えば、あなたが家電量販店に行きテレビを現金で購入するとします。

すると当然、取引はその場で精算されます。

しかし、クレジットを使って購入すると、あなたには借金が発生します。

クレジット会社に対して将来返済するという約束をするのです。

あなたとクレジット会社は債権と債務が生まれたことを意味します。

この債権と債務は、のちにあなたが借金を全て払い終えたときに消滅します。

そして、こうした取引きにおいて、多くの人が考えているお金というものは、現金ではなくクレジットなのです。

例えば、米国で流通している現金の総額は3兆ドルと言われていますが、これに対してクレジットの総額は50兆ドルにもなります。

前述したように、クレジットの無い現金のみの経済では、支出は生産量を増やさないと増加しませんが、クレジットがある経済では、借金を増やせば支出も増やせるのです。

ということは、支出がより大きくなり、収入の増加が生産力を上回ります。

しかし、この収入の増加は短期的であり長期にわたっては起こりません。

また、クレジットは経済の波を引き起こしますが、それが良いか悪いか疑問だと思います。

クレジットは、債務の返済が可能な時は良い要素となり、返済が不可能になると悪い要素になります。

なので先程の例で言うと、借金をしてテレビを購入しても、それを返済する収入はテレビからは何も発生しませんが、借金をして不動産を購入して家賃収入を得るなど、収入を増やせば借金を返済できると同時に生活水準までも引き上げ可能になります。

つまり、お金の使い方、借金の仕方によって、「負債」になるか「資産」になるかが決まるというわけです。

ここは非常に大切なことですので、よく覚えておいてください。

 

クレジットは、どのように経済成長を生み出すのか?

仮に、あなたの年収が1000万円で債務が無いとします。

すると、金融機関に信用があるので、あなたはクレジットカードを使って100万円を借りることができます。

ということは、収入が1000万円でも1100万円の支出が可能となります。

すると、あなたの支出は他人の収入なので、他人が1100万円を得たことになります。

また、この他人に債務がなく1100万円の収入があったのなら、110万円を借りることができ、収入が1100万円でも1210万円を支出可能です。

そして、この人の支出は、また別の誰かの収入なので、さらに経済を押し上げ、経済成長に繋がって行くというわけです。

但し、忘れてはいけないのは、前述したように債務が経済の波を押し上げたとしても、その波はいずれ落ちるということです。

これが短期のクレジットサイクルです。

経済活動が増えれば、経済が成長して行くので、クレジットサイクルが始まります。

すると、支出がさらに増加し、モノの価格が上昇し始めます。これは経済がクレジットによって押し上げられたからです。

支出と収入が生産高より速いスピードで増えれば、価格が上昇し始め、価格の上昇はインフレを招きます。

中央銀行はこうした問題を避けたいので、価格の上昇が始まれば利子を引き上げます。

利子が高くなると、借金する人が減ります。なぜなら返済額が増えるからです。

支出は他の人の収入なので、そうなると人々の支出は減ります。

すると、今度は経済が全体的に縮小していき不景気になります。

人々の支出が減るとモノの価格も暴落し、これがデフレです。

デフレは、モノの価格が下がり続け、経済全体が収縮することなので、デフレに入ると、人々の給料は下がり、給料が下がるとモノが売れないので、モノの価格はさらに下がり悪循環に陥ります。

この不景気が続けば、中央銀行は利子を引き下げて経済活動を活性化しようとします。

利子が引き下げられると、借金する人が増え、支出がまた増えることになります。

そして、これがまた経済活動を押し上げることになるのです。

経済はこれを繰り返していて、これが経済のカラクリなのです。

ただ、今お伝えしたの経済の波のは、短期のクレジットサイクルであり、長期周期もありますので、また次回それをお伝えします。