(29)ユダヤ人が成功する理由【セフィロトの樹】

「カバラ」と言えば、「生命の樹=セフィロトの樹」です。

そもそも「生命の樹」とは一体何か?

エデンの園の中央には、2本の木があり、1本は「生命の樹」、もう1本は「善悪を知る樹」です。

前者の「生命の樹」になった実を食べれば、神に近い永遠の命が得られ、後者の「知恵の樹」になった実を食べると、神に等しい善悪の知識を得られる、とされるものです。

この2本の木のうち、前者の「生命の樹」をカバラの奥義として図式化したものが 「セフィロトの樹」です。(下図参照)

この図は、秘教知識を学ぶ上において非常に重要なものだとされています。

「セフィロトの樹」は、10個の「セフィラ 」と、22個の「パス」で構成されています。(パスについては後ほど)

セフィラとは、ヘブライ語で「数」を意味し、パスは「小径」で、各セフィラを結ぶときの道を示し、主観的観念を示します。

セフィロトの樹の基礎的観念は、神による無からの宇宙創造です。

※セフィトロの樹の図の一番上をご覧下さい。

  • アインは「無」で、0で表されます。(神による宇宙創造以前の何も無い世界)
  • アイン・ソフは「無限」で、00で表されます。(宇宙創造を行った神)
  • アイン・ソフ・オウルは「無限光」で、000で表されます。(セフィラを生み出した光)

つまり、アイン(0=無)からアイン・ソフ(00=無限)が生じ、そこからアイン・ソフ・オウル(000=無限光)が生じたというわけです。

はじめに神は天と地とを創造された。

地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。

神は「光あれ」と言われた。すると光があった。

『旧約聖書』創世記 第1章1〜3節

これは、無から宇宙が創られ、そこから光が創られたという意味です。

 

ところで、「セフィロト」とは、「セフィラ(数)」の複数形です。

そして、このセフィラは、無限の存在から万物を生み出すために放出された光の球を表します。

一方、「パス」は、先述したように、各光の球…つまりセフィラを結ぶ線だと考えれば良いでしょう。

カバラでは、宇宙創造の後、10個のセフィラが順番に放出されたとされています。

さらに、私たち人間が住む「人間界」も創造されました。

各セフィラ(光の球)の呼び名と意味、色は下の表の通りです。

これら10個のセフィラは、「十戒」にも対応しているとされています。

この他にも隠れたセフィラがあり、それが「ダアト(知識)」です。

なぜ隠れてるかと言うと、ダアトだけ他のセフィラとは次元が異なるからです。

その隠された意味は、「悟り」・「気づき」であり、これは神が隠した「神の真意」という意味です。

この神の真意を知ることが真の知識なのです。

 

セフィロトの樹の3柱

セフィロトの樹は、左・中央・右…と、3つのブロックに分類されていて、このそれぞれを「柱」と言います。

下図をご覧下さい。

左の柱は「峻厳の柱」と言い、女性的/受動的な力を表します。

右の柱は「慈悲の柱」と言い、男性的/能動的な力を表します。

通常は、「峻厳」が男性で、「慈悲」が女性と思われがちなので、これは逆ではないか?と感じるかもしれませんが、実はバランスを取るために敢えてそうなっているのです。

この世は全て「バランス」によって保たれているからです。

分かりやすく言えば、男性の中にも女性的な要素が必要ですし、女性の中にも男性的な要素が必要です。

だから、互いにバランスが保たれるわけであり、中央の柱は、まさにそのバランスを表す「均衡の柱」なのです。

そして、均衡の柱は、上に行くにつれて「意識の次元」の上昇を表しています。

つまり「意識の拡大」は、この柱に沿って行われ、意識を拡大していけば、最終的には「ケテル(至高世界)」に到達すると言います。

また、人間が意識を拡大することにより、天使からのメッセージを受け取ることが可能になりますが、至高世界…つまり神の領或は、人間である以上、行くことは不可能だとされています。

 

セフィロトの樹の4世界

セフィロトの樹は、4つのブロックに分けられていて、これは神界から人間界へと連続する世界です。

第1ブロック(流出界)

①・②・③のセフィラを結ぶ三角形に囲まれる部分を「アツィルト」と呼びます。
この領域は世界を創造する最初の部分で、エデンの園にいたアダムはこの世界に属します。

 

第2ブロック(創造界)

②・④・⑥・⑤・③のセフィラを結ぶ五角形に囲まれる部分を「ブリア」と呼びます。
この領域は大天使の支配下の世界で、アダムから無数の人々が生まれていくことを表す世界です。

 

第3ブロック( 形成界)

④・⑦・⑨・⑧・⑤のセフィラを結ぶ五角形に囲まれる部分を「イエツィラ」と呼びます。
この領域は天使の支配下の世界で、エデンの園はこの世界に属するとされます。

 

第4ブロック(物質界)

⑦・⑩・⑧のセフィラを結ぶ三角形に囲まれる部分を「アッシャ」と呼びます。
この領域は魂だけだった存在が、肉体と感情を持つ界です。つまりこれが人間の世界です。

但し、これらの4つのブロック世界は幾つか他の解釈が存在します。が、4世界とも別々に存在しているわけではなく、同時に重なって存在しています。

 

パス

下図はパス(小径)の一覧です。

下図はパスの位置と番号を示しています。上図と照らし合わせてご覧下さい。

このように「セフィロトの樹」は、神が創造された世界には深い意味があることを示しています。

それをユダヤ人の解釈で図にしたものが、この「セフィロトの樹」です。

勿論、この図が真実だとは限りませんが、ユダヤ人の多くは、この図を通してインスピレーションを得ています。

だから試練が多くても逞しく生き抜くことができるし、神を崇敬して生きることが成功の秘訣だと知っているのです。

決して、セフィロトの樹を占いや魔術などに用いて開運できるというわけではありません。

大切なのは神を知り、神を信じ、神を心から崇敬することにあります。

主の目はあまねく全地を行きめぐり、自分に向かって心を全うする者のために力をあらわされる。〜〜

『旧約聖書』歴代志(下)16章9節

このように歴代志に記されていますが、その意味は、「神様の方から神を求める人を捜し求めておられる」ということです。

だから神様は、そうした人を見つけると喜んで力を貸して下さるのです。

人生を逞しく切り開いていく力は神が与えて下さるので、神と共に生きていくことが一番の開運の道です。

因みに、『聖書』や『タルムード』では、「開運」という言葉は使わず「神の導き」という言葉を使っています。

なぜなら、幸福を与えて下さるのは神であり、神の導きがあってこそ良い運になるからです。

1 個のコメント

  • 伊藤 より:

    とても興味深いです。
    峻厳に過ぎても、慈悲に過ぎても物事はうまくいかず、やはりバランスが重要ですね。
    建設と破壊、感情と知性の間を振幅しながら上昇していくというのは、成功と失敗を繰り返しながら
    何か本質的な事を掴んでいく、気づきを得ていくという事にも通じるように感じます。

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