タルムードと神道(86):旅行者の祈り

重要な旅の始まりには、テフィラ・ハデレハという特別な旅行者の祈りを唱える。

この祈りは旅の危険から身を守ってくださるように、そして目的地に無事に届けていただけるように主にお願いするものである。

この祈りを捧げる理由の一つは、実際に旅には危険が伴うからです。

今日でさえ、旅行は私たちが普段することの中では危険な方であり、その危険はほとんど事故に遭う危険です。

賢人たちの時代においては、事故、賊、飢えなどの危険が今日よりもずっと大きかったでしょう。

このことは特にエルサレム・タルムードによって強調されています。

しかし、この説明では不完全であるように思えます。

未開の地を車や飛行機で旅するよりも危険なことは多くありますが、そうしたことは特別な祝祷に値しません。

たとえば、手術を受ける前に特別な祝祷はありません。

賢人たちの時代にはもっと危険な医療行為が一般的であったにも関わらずです。

実際、タルムードは旅行者の祈りについて話す中で、危険については全く言及していません。

これは次のような話に関係しています。

預言者エリヤはラビ・サラ・ハシダの兄弟、ラビ・ユダに次のように言いました。

怒りに駆られなければ、罪を覚えることはない。酒を飲み過ぎなければ、罪を覚えることはない。

旅をする時には、創造主にお伺いを立てた上で旅をせよ。

エリヤは怒り、酒の飲み過ぎ、旅行という三つのことを言っています。

これらは全て、人に我を忘れさせ、普通なら避けるようなことをさせてしまうものです。

怒りと酔いは常に正しくないことであり、エリヤははっきりと警告しています。

しかし旅に出ることは時には必要なことですので、この場合の正しい手順は主にお伺いを立てること、すなわち、旅に主が同行されることを思い出すために旅行者の祈りを唱えることなのです。

このことから、旅におけるもっとも重要な危険は精神的な危険であると考えることができます。

旅において私たちは疲れがちであり、それによって主の意に沿う行いをすることに対して注意力が低下します。

不慣れな環境により、ミツバを守ることが難しいこともあります。

さらに旅先では周りに知っている人がいないため、普段の戒律を破ることを恥じる感覚が薄まるかもしれません。

これに対して、ラビ・ガンツフリードは次のようなことを勧めています。

道中もトーラーを学ぶこと、神の恵みを心に留めること、ミツバに必要な道具を持参すること、コーシャーである食べ物に気をつけること、そして孤独の念を薄めるために、旅の初期の段階では誰か同行者を持つことです。

そして、注意深くテフィラ・ハデレハを唱えたならば、誰が自分を旅に送り出してくださるのか、誰が旅の成功と無事の帰りに責任を持ってくださっているのかをはっきり思い出すことでしょう。

 

本日の課題

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これまでの「タルムードと神道」の学び

タルムードと神道(1):日ユ同祖論(1)

タルムードと神道(2):日ユ同祖論(2)

タルムードと神道(3):日ユ同祖論(3)

タルムードと神道(4):日ユ同祖論(4)

タルムードと神道(5):日ユ同祖論(5)

タルムードと神道(6):日ユ同祖論(6)

タルムードと神道(7):祈りについて

タルムードと神道(8):朝の目覚め

タルムードと神道(9):朝の目覚め(日本編)

タルムードと神道(10):手を洗い清める

タルムードと神道(11):手を洗い清める(禊)日本人編

タルムードと神道(12):礼儀正しい装い

タルムードと神道(13):礼儀正しさ(日本編)

タルムードと神道(14):排泄行為

タルムードと神道(15):排泄行為(日本編)

タルムードと神道(16):祈りの清浄な場所

タルムードと神道(17):祈りの清浄な場所〈日本編)

タルムードと神道(18):祝祷の掟

タルムードと神道(19):祝祷の掟(日本編)

タルムードと神道(20):朝の祝祷

タルムードと神道(21):朝の祝祷(日本編)

タルムードと神道(22):朝の祈り前の制限事項

タルムードと神道(23):夙起夜寐(シュクキヤビ)

タルムードと神道(24):ツィツィート

タルムードと神道(25):テフィリン(前半)

タルムードと神道(26):テフィリン(後半)

タルムードと神道(27):メズザ

タルムードと神道(28):祈りの準備

タルムードと神道(29):ベイト・クネセトの聖性

タルムードと神道(30):ペスーケイ・デズィムラ(祈りの儀式を始める詩編)

タルムードと神道(31):ミニヤンと先唱者

タルムードと神道(32):シェマーとその祈りを中断すること

タルムードと神道(33):シェマーの詠唱(えいしょう)

タルムードと神道(34):テフィラー

タルムードと神道(35):アミダーの祈りへの追加

タルムードと神道(36):先唱者によるアミダーの復唱

タルムードと神道(37):埋め合わせの祈り

タルムードと神道(38):タファナン(懺悔の祈り)

タルムードと神道(39):週日のトーラー朗読

タルムードと神道(40):完全なトーラーの巻物を書くこと

タルムードと神道(41):ケドゥーシャ・ディシドラとアレイヌ

タルムードと神道(42):会葬者のカディシュ

タルムードと神道(43):トーラーを学ぶことについての法

タルムードと神道(44):☆神道と儒教

タルムードと神道(45):トーラーの巻物を書くこと、トーラーの本を得ること

タルムードと神道(46):正しい行い

タルムードと神道(47):否定的な発言を避けること

タルムードと神道(48):天のために行動すること

タルムードと神道(49):正しく体をケアすること

タルムードと神道(50):危険な行い

タルムードと神道(51):喜捨(きしゃ)の法

タルムードと神道(52):ハッラーの法

タルムードと神道(53):肉に塩を振ること

タルムードと神道(54):食事の道具を水に浸すこと

タルムードと神道(55):非ユダヤ人が整えた食べ物

タルムードと神道(56):食事の前に食べること

タルムードと神道(57):☆儒教と神道を合体させた理由

タルムードと神道(58):パンを食べるために手を洗うこと

タルムードと神道(59):パンをちぎること

タルムードと神道(60):食事の間の振る舞い

タルムードと神道(61):食事中に祝祷を必要とする食べ物

タルムードと神道(62):食後の祈り

タルムードと神道(63):ツィムーン

タルムードと神道(64):禁止された食べ物

タルムードと神道(65):非ユダヤ人のワイン

タルムードと神道(66):焼かれた食べ物についての祝祷

タルムードと神道(67):ワインについての祝祷

タルムードと神道(68):食事の前の祝祷

タルムードと神道(69):結びの祝祷

タルムードと神道(70):食べ物についての祝祷

タルムードと神道(71):果物のジュースと野菜のゆで汁

タルムードと神道(72):中心となる食べ物と従属する食べ物

タルムードと神道(73):食べる前の祝祷の順番

タルムードと神道(74):正しく唱えられなかった祝祷

タルムードと神道(75):追加の料理についての祝祷

タルムードと神道(76):香りについての祝祷

タルムードと神道(77):喜びと悲しみについての祝祷

タルムードと神道(78):自然の驚異についての祝祷

タルムードと神道(79):特別な助けに対する感謝とその助けを求めること

タルムードと神道(80):商売の上での公平な取引

タルムードと神道(81):圧迫的な言葉と他人を欺くこと

タルムードと神道(82):禁じられた食べ物を事業で扱うこと

タルムードと神道(83):禁じられた金利についての法

タルムードと神道(84):融資におけるパートナーシップ上の許容

タルムードと神道(85):誓約と誓い

1 個のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    若いころ羽目を外すという行為を何度かしてしまいした。その時の心の中は傲慢さでいっぱいだったと思います。結果ろくな事になりません。旅行などに行くと非日常的な感覚になり少しうかれてしまいますが、敬意と感謝の視点で社会に関わろうと思います。

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