タルムードと神道(47):否定的な発言を避けること

人々のプライベートな事情について無駄な噂話を広めることは禁止されています。

また他人の名誉を傷つけるようなことを言うのは、これが真実であったとしても禁止されています。

これらが許容されるのは、特定の建設的な目的を達成するために他に方法が無く、また対象となる人が不当なダメージを被らない場合のみです。

私たちの主なる神に対する関係は、愛と畏怖、儀式と信仰のような包括的な価値に基づいています。

しかし、これらのより大きな価値は、無数の細かい規則に表現されていて、その規則を通して私たちは主に近づくことができるのです。

高尚な考えが具体的な言葉や文字のみで表現できるように、創造主に対する儀式の高尚な観念は、ユダヤ法の具体的な実践を通してのみ表現できるのです。

同じように、私たちの人間に対する関係は、愛、敬意、思慮といった基本的な概念に基づいていますが、これらの価値は十分ではありません。

特別な戒律によって支えられる必要があるのです。

このことは、細かい人間関係の戒律が必要であることを裏付けています。

デタント

無駄な噂話を禁止することで、迷惑ではあるけど害は無いようなお節介焼きが、プライベートのままそっとしておくべき情報を広め、関係性に実際にダメージを与えることを防ぐことができます。

悪気のない出来事が互いに結びついたり、おかしな文脈に乗ったりすることで、人々の間に悪意を生み出すことは非常に頻繁にあります。

友好的な会話を許容する一方で、慎重すぎるほど慎重になることをトーラーは求めています。

人を傷つけるような発言を禁止することで、些細な行き違いと、ごく普通に生まれる憎悪を防ぐことができます。

比較的小さな侮辱でも、自分の傷ついた感情を誰かに打ち明けなければならないと感じるかもしれません。

近くにいる人が全員その不仲について知ってしまったら、これを調停することはとんでもなく難しくなるということを私たちは知っています。

友人になれたかもしれなかった人たちが疎外されたり、最低限の歩み寄りでお互いの居心地の悪さを克服できたかもしれない人たちが全面的に対立する敵になったりします。

状況がエスカレートし、知り合いの輪の中全てに敵意が満ちることさえ珍しいことではありません。

トーラーは私たちの振る舞いにおける緊張関係を安定させ、十分に具体的で理屈の通った利益が無い限りは、例え真実であったとしても人を傷つけるような発言は禁じています。

よかれと思って注意したことが、感じの悪い振る舞いだと受け取られて、近所との関係に誤解が生じることは避けられませんが、非難し返すことを禁じることで、そうした誤解が近所づきあいの断絶にまで発展することを防ぎます。

こうした禁止事項はごく日常的なレベルで作用し、小さな諍いが大きな対立に拡大するのを防ぎます。

アンタント

これらの禁止事項は、ネガティブな感情が悪影響を引き起こすのを防ぐだけではなく、実際、ポジティブな感情が生まれやすくなります。

「セーファー・ハチヌーク」が本稿に置ける共通のテーマに光を当てています。

人の性格は、その人の行動によって作られます。

もし不一致があっても、親しみやすく控えめに行動している人は、自分の感情もまた、よりポジティブになっていきます。

平安をもたらす

他人について話してはいけないタイミングを知る必要があるように、いつならば話すことが適当なのか、あるいは話さなければならないとかということも知っておく必要があります。

他人についての正確な情報がどうしても必要な時もあるでしょう。

例えば、ある人との結婚や、またはある人とのビジネスでの提携を考えている人がいるとします。

このとき私たちが、その関係が良いものにはならないという確かな情報を持っているとしたら、必要な情報を公平に伝えなくてはなりません。

トーラーでは、「あなたは心に兄弟を憎んではならない。あなたの隣人をねんごろにいさめて、彼のゆえに罪を身に負ってはならない」と教えています。

非難を仕掛けて悪意を生み出すことは間違ったことですが、最悪なのは、恨みを悪化させることが分かっているのに、それと向き合わないことです。

相手と向き合うときにはいつでも礼儀正しく、よく考えて行動しなくてはなりませんが、トーラーは、私たちに現実を見て見ぬ振りをせよとは教えていないのです。

同じことが、他人について話すときにも言えます。

意見を言うときには、公平で建設的でなければなりませんが、ときには他人について言うことが必要なのです。

物事に新しい見方を加える

他人を好意的に評価することで、実際にその人に引き上がる効果が発生します。

賢人たちは、悔い改めることで、過ちを美点に変えることができると教えています。

つまりこれは、他人による好意的な評価も似たような効果を持つということです。

この非常に深い考え方は、ユダヤ人は人間の良いところを体現している非常に良い人種であるという、基本的な見方に基づいています。

それゆえに、ユダヤ人の好意的な評価はある意味で正しいのです。

一見、邪に見える同胞のユダヤ人の行いにも、高潔な人の行いにも、何らかのポジティブな面があるはずです。

これは、普通の人間関係と関連づけた方がずっと理解しやすいです。

つまり、ある行為を批判しなければ、すなわちその行為は批判的な行為でないということなのです。

これらすべての法の目的は、他人の感情に敏感になることです。

何らかの行為によって、おそらく傷つけられたであろう人が、その行為をポジティブな目で見たとしたら、今やその行為は評価されるべき行為なのです。

そのため、普通の侮辱や誤解に対してポジティブな態度を保つことは、それらを克服する力になるだけではなく、逆手に取ることさえできるようになるのです。

慎重であることで、ポジティブな自分のイメージを作ることができ、それが、自分の振る舞いを向上させようとしている誰かを助けることに繋がります。

 

本日の課題

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これまでの「タルムードと神道」の学び

タルムードと神道(1):日ユ同祖論(1)

タルムードと神道(2):日ユ同祖論(2)

タルムードと神道(3):日ユ同祖論(3)

タルムードと神道(4):日ユ同祖論(4)

タルムードと神道(5):日ユ同祖論(5)

タルムードと神道(6):日ユ同祖論(6)

タルムードと神道(7):祈りについて

タルムードと神道(8):朝の目覚め

タルムードと神道(9):朝の目覚め(日本編)

タルムードと神道(10):手を洗い清める

タルムードと神道(11):手を洗い清める(禊)日本人編

タルムードと神道(12):礼儀正しい装い

タルムードと神道(13):礼儀正しさ(日本編)

タルムードと神道(14):排泄行為

タルムードと神道(15):排泄行為(日本編)

タルムードと神道(16):祈りの清浄な場所

タルムードと神道(17):祈りの清浄な場所〈日本編)

タルムードと神道(18):祝祷の掟

タルムードと神道(19):祝祷の掟(日本編)

タルムードと神道(20):朝の祝祷

タルムードと神道(21):朝の祝祷(日本編)

タルムードと神道(22):朝の祈り前の制限事項

タルムードと神道(23):夙起夜寐(シュクキヤビ)

タルムードと神道(24):ツィツィート

タルムードと神道(25):テフィリン(前半)

タルムードと神道(26):テフィリン(後半)

タルムードと神道(27):メズザ

タルムードと神道(28):祈りの準備

タルムードと神道(29):ベイト・クネセトの聖性

タルムードと神道(30):ペスーケイ・デズィムラ(祈りの儀式を始める詩編)

タルムードと神道(31):ミニヤンと先唱者

タルムードと神道(32):シェマーとその祈りを中断すること

タルムードと神道(33):シェマーの詠唱(えいしょう)

タルムードと神道(34):テフィラー

タルムードと神道(35):アミダーの祈りへの追加

タルムードと神道(36):先唱者によるアミダーの復唱

タルムードと神道(37):埋め合わせの祈り

タルムードと神道(38):タファナン(懺悔の祈り)

タルムードと神道(39):週日のトーラー朗読

タルムードと神道(40):完全なトーラーの巻物を書くこと

タルムードと神道(41):ケドゥーシャ・ディシドラとアレイヌ

タルムードと神道(42):会葬者のカディシュ

タルムードと神道(43):トーラーを学ぶことについての法

タルムードと神道(44):☆神道と儒教

タルムードと神道(45):トーラーの巻物を書くこと、トーラーの本を得ること

タルムードと神道(46):正しい行い

 

2 件のコメント

  • kyorintomo@yahoo.co.jp より:

    「人の不幸は蜜の味」と言うように、噂話が好きな人が多いですよね。私も陰謀論を知り始めた頃はその類でした。悪いのは全部他人のせいだと本気で思っていました。ところがある事件をきっかけに、我が身に起こることは全て自分で招いた事だと気付かされました。見る物、話す言葉、は大きく現実に影響を与えるようです。心はいつも爽やかに穢れのない状態で有りたいものです。

  • 伊藤 より:

    他人の陰口や悪口、或いは人格を否定するような事を口にして、それを周りの人に同意を求める、
    そういうタイプの人はいますね。接していると、どうもネガティブな波動を受けてしまいます。
    いかなる状況でも、ポジティブな態度を保つ、ということはとても大切ですね。
    心がけて参ります。

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